ビタミンPPって知ってる?ビタミンPPによる身体の影響。

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ビタミンPPとは?

ビタミンPPは、現在ではナイアシン(ビタミンB3)として知られている栄養素です。「PP」は「Pellagra Preventive(ペラグラ予防因子)」の略で、ナイアシンの不足によって発症するペラグラという病気を防ぐことから名付けられました。ナイアシンには、ニコチン酸ニコチンアミドの2種類があり、体内では主に補酵素としてエネルギー代謝に関与します。

ビタミンPP(ナイアシン)の身体への影響

ナイアシンは、私たちの健康にさまざまな重要な役割を果たします。主な影響を以下にまとめます。

1. エネルギー代謝の促進

ナイアシンは、体内でNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)やNADP(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)といった補酵素に変換されます。これらの補酵素は、炭水化物、脂質、タンパク質の代謝に不可欠で、エネルギーを生み出す過程を助けます。そのため、ナイアシンが不足すると、慢性的な疲労感や代謝の低下を引き起こす可能性があります。

2. 皮膚や粘膜の健康維持

ナイアシンは、皮膚や粘膜の健康を維持する役割も持っています。不足すると皮膚の炎症や口内炎、消化器系の不調を引き起こすことがあり、重症化するとペラグラという皮膚炎・下痢・神経障害を伴う病気を発症することがあります。

3. 神経機能のサポートと精神の安定

ナイアシンは、神経伝達物質の合成にも関与し、脳の機能をサポートします。特に、精神の安定に関わるセロトニンの生成にも影響を与えるため、不足するとイライラしやすくなったり、うつ症状のリスクが高まることがあります。

4. 血行促進とコレステロール管理

ナイアシンは血流を良くし、動脈の健康を保つ効果もあります。また、高用量のナイアシンはLDL(悪玉コレステロール)を減らし、HDL(善玉コレステロール)を増やす働きがあるため、心血管疾患のリスクを低減する可能性があるとされています。ただし、高用量の摂取は医師の指導のもとで行う必要があります。

ビタミンPP(ナイアシン)を効果的に摂取する方法

ナイアシンは体内で合成することもできますが(必須アミノ酸のトリプトファンから変換される)、食事から十分に摂取することが推奨されます。以下に、ナイアシンを多く含む食品を紹介します。

ナイアシンを多く含む食品

  1. 肉類(特にレバー):牛・豚・鶏のレバーはナイアシンが非常に豊富。
  2. 魚(カツオ、マグロなど):特に赤身の魚には多く含まれる。
  3. きのこ類(シイタケ、マッシュルームなど):低カロリーでナイアシンを補給可能。
  4. 豆類(ピーナッツなど):ナイアシンとトリプトファンを含む。
  5. 穀類(玄米、全粒粉パンなど):精製されていない穀物はナイアシンの供給源となる。

1日の摂取目安量

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、ナイアシンの推奨摂取量は以下の通りです。

年齢・性別推奨量(mgNE/日)
成人男性15 mgNE
成人女性12 mgNE

※NE(ナイアシン当量)とは、食品中のナイアシンとトリプトファン由来のナイアシンを合算した値。

サプリメントの活用

食品から十分に摂取できない場合は、ナイアシンサプリメントを活用するのも一つの方法です。ただし、高用量のナイアシン(特にニコチン酸)は「ナイアシンフラッシュ」と呼ばれる一時的な血管拡張作用を引き起こし、顔が赤くなったり熱感を感じたりすることがあるため、注意が必要です。

まとめ

ビタミンPP(ナイアシン)は、エネルギー代謝を助け、皮膚や神経の健康維持に重要な役割を果たす栄養素です。肉類や魚、きのこ類、豆類などの食品から摂取することができ、バランスの良い食事を心がけることで十分に補うことが可能です。特に疲れやすい方や肌の調子が気になる方は、ナイアシンの摂取を意識してみると良いでしょう。